気持ち悪い片想いの思い出と古本市と

あるとき(そんなに遠い昔ではない)、私はものすごい片想いをしていました。なにがものすごいかというと、べつに恋愛経験ゼロだったわけでもなんでもないのに、ほとんど話したことのない人のことを本気で好きになりかけていました。
話したことがないからどんな人かあまりよく知らないし、自分からなにかしらモーションをかけようなどとは夢にも思っていなかった私ですが、さまざまなことをシミュレーションした結果、お気に入りの文房具屋に付箋とカードを買いに行くことを思いつきました。つまり、もし万が一彼が私に本やらCDやらを貸してくれることになった場合、お礼をしなくちゃいけない。かわいい女の子だと思われたいから、とびきりセンスのよいカードに「ありがとう。ここの頁がおもしろかったです。なおこ」などと書いたものを挟んでお返ししよう。かわいいカードだったら彼も捨てるには忍びないはずだ。そうしたらなんとなく彼の部屋に私の手書きの紙がずっとあるという超素敵なことになってしまう!
これを話したことも連絡を取ったこともない段階で考えていたので恋する乙女は暴走機関車ですね。私だけですか。
その後どんなことがあったかといえば、ほんとうにいきなり彼から誘われてデートすることになってアラ大変、なんてドタバタもありつつ、結局、買ったカード(20枚)を使う機会はありませんでした。
なぜこんな恥ずかしい話を書いたかといいますと、このカードを明日使おうと思っているからです。つまりここまでの文章はフリでした。
あした、千駄木でおこなわれる「一箱古本市」というイベントに参加します。(http://d.hatena.ne.jp/seishubu/
名前のとおり、いろんな人が一箱ずつ古本を持ち寄って街じゅうで一日古本屋ごっこをするような、本好きにはとてもとてもたのしいおまつりです。
私は、よくお手伝いに伺っている出版社に出入りしている学生たちで作った「しんや万象」という超内輪ネームのお店にいます。「光輪寺」というお寺が会場です。
私が出品するのはうちにある本と、あとは制作にずっと関わった雑誌である『MIRAGE』3号(http://cinemirage.hostoi.com/)も売ります。で、そいつらに、メッセージカードを挟もうかな、と思っているわけです。
恋が実らなかった無念を胸に、その本にかんする思い出なんかをちまちま書いていきますので、お近くを通りがかったらぜひのぞいてみてくださいね。
では。