●大好きなものがある人は幸せだと思います。もちろんわたしのこと!


●長引いていた風邪がやっと治って、久しぶりに大学に行きました。休講等ののっぴきない理由で、ほんとに行っただけになったけど。大学に滞在した時間はおそらく1時間弱程度だろう。お昼ごはん食べただけ。いやゼミあったんだけどね。偶然ゼミの同期に会って、いま輪読している本(ヴォルテール哲学書簡』)は読んでも議論にならないからゼミに行く意味がないよね、自分のために時間を使ったほうが有意義だよね(この言い方は、わけのわからない芸術に触れたときの「前衛的ですね」と同じくらい汎用性が高いと思う)という結論にふたりで達して、仲良く大学を後にすることにしたのです。


早稲田松竹で(500)日のサマーやってるから見よう、と思ったのですが、火曜日は全日休講(勝手に)だったはずなのにくもっているし頭は痛いしで家で寝ざるをえなかったのがくやしかったので、せっかくのいいお天気、電車で遊びに行くことにした。朝に新宿の紀伊国屋に行って本が欲しいのに金がなくて(というかほしい本を何もかも買い占めたいのに金が足りない)フラストレーションがたまったから、初めて神保町に行ってみました。

結論から言うとわたし神保町大好きだ。
古本ってあの独特の甘いにおいが苦手で、古本屋も吉祥寺の百年とかバサラブックスくらいしか行かないんですけど、最近は克服しつつあるのかも。豚インフルがはやったときに、アルコールのスプレー買ったし。それにさ、やっぱり図書館で借りるよりも買っちゃったほうがいいよね。とくに雑誌。Oliveとananのバックナンバーを大量に揃えている店があって興奮した!
それで散歩するには日差しが強すぎたので、10年くらい前の現代思想を買ってコーヒー飲みながら読んで、飽きたら朝に読み始めた本を読んで、涼しくなるまで時間をつぶしました。そのあとはぶらぶら。ロシア語専門書店のようなものを見つけてちょっとのぞいた。ロシア語はできないけど、キリル文字ウズベキスタンでかじったからまだいけるんじゃないかと思って。Чехов、チェーホフって読めたよ!いやー嬉しかったな。
知らないまちをぶらぶらすることが好きだ。本も好き。周りに言われるほど本を読むわけじゃないけど、物質としての本がものすごく好き。部屋は本であふれかえっていて、もう片付ける気も起きません…。


●ああ、今日は好きなものにたくさんたくさん触れて、発狂しそうなくらい幸せだったのに、それを系統立てて話すの難しいな。


●結局御茶ノ水まで歩いたんだけど、わたしは御茶ノ水駅が全ての駅の中で一番好きです。特に中央線の上り列車で御茶ノ水駅に着くとき。一度車体がうねったあとに聖橋が見えてきて、くぐるとホームに着くんです。ホームの反対側の窓からは一面、緑色の神田川が見えるんです。そしてホームは、意味不明な段差と謎のアーチ型天井?によって、大人はちょっとかがんでくぐらないと反対の総武線側に出られないんです。で、前方を見ていると丸ノ内線が一瞬だけ地上に出てくるのです(それは四谷駅も同じで最高である)!こんな素晴らしい駅がほかにあるのだろうか(いや、ない)。その光景を今度は聖橋の上から眺めていました。一度に3種類の電車(中央線、総武線丸ノ内線)が見られるなんて…。うっとりしますね。
高校生の頃、なぜかまったく覚えていないけれどよく御茶ノ水に行きました。御茶ノ水が好きだったから。ニコライ堂にも遊びに行ったことがあります。もしもわたしが明治大学に行っていたら、もうほとんど授業など行かずに、いや今も行ってないけど、一日中聖橋で電車を眺めるか神保町でananの表紙を見続けるかしていたんだろうな。んーでも楽器屋がさすがに多すぎやしないかい?
そのあとは秋葉原まで歩いたのですが、御茶ノ水秋葉原間の外堀通りは、わたしの好きな坂道ベスト5に入るのではないだろうか。聖橋では見下ろしていたホームが、気づいたら同じ高さになり、もうちょっと進むと、総武線が頭上を走っている。その移り変わりがあまりに自然でまったく違和感がないんです!恐ろしいことです。
ちなみに他に好きな坂といえば、四谷の迎賓館と赤坂見附を結ぶ紀尾井坂(丸ノ内線ホーム、首都高、外堀が望めます)、等々力渓谷あたりで環八と目黒通りが交差する坂(名前はないと思う。下っていくにつれて多摩川が見える)、早稲田と護国寺を結ぶ胸突坂(異世界への入口みたい。和敬塾の隣を通る)などなどなどです。


●唐突に本を紹介します。

なるほどkids 東京の電車に乗ろう! (子供 鉄道 電車 図鑑)

なるほどkids 東京の電車に乗ろう! (子供 鉄道 電車 図鑑)

紀ノ国屋新宿本店では、今、出版社の社員がおすすめする本フェア(正しくは覚えてない)をやっています。その中にあったのが、この電車本。見開きがなんと聖橋から3本の電車が見られますよ特集で、完全にハートを持って行かれました。しかもね、運命の再開なんです。おととい医者に行った時に隣の親子がこれを読んでいて、うらやましすぎてうずうずしたんです。今日まさか紀ノ国屋で特集されているとは…。明日買いに行こうと思っています。


●帰りに吉祥寺でバサラブックスに行ったら先ほど神保町でお買い上げした現代思想が半額以下のお値段で売られているではないか…!それでなんとなく6冊くらい本を買いましたとさ。同時代人の中でいちばん好きな書き手、穂村弘さんのエッセイ集がいくらかあって、なんとなく手に取ったらそれはサイン本でした。400円。買うしかありません。で、買ったんですけど、サイン、宛名付きなんですよ…。Mさん!あなた罪な女ね。そしてせっかくサイン本を売ったのに、多くとも400円でしか買い取ってもらえなかったって…。せつないないろいろ。


●朝から昼にかけて読んでいた本。

プライベート・ゲイ・ライフ―ポスト恋愛論

プライベート・ゲイ・ライフ―ポスト恋愛論

また伏見憲明かっ。ポット出版のサイトから全文読めます。http://www.pot.co.jp/
よりみちパン!セの『男子のための恋愛検定』も良いです。大学一年の時に読んだのかなー。そのとき疑問に思っていた、恋愛/挿入至上主義が相対的なものだと記されていてラクになった気がする。
本は好きだけれども読書量はそんなに多くなくて、しかも読む本のジャンルは適当。でも最近は一応ジェンダーとかクィアとかそういう文脈に沿って本を読んでいる。そしたら、知ったばかりの言葉が別の本で出てきたりして(たとえば上記の恋愛至上主義というか、恋愛で性愛をくるむ考え方をロマンチック・ラブ・イデオロギーというらしい)、おお、知識ってこういうもののことをいうのか!ということをはたち越えて初めて実感いたしました。そしてそれが快楽になりつつある。今までは、本を読んでいる間は他のことを全部忘れられるっていうのが好きだったんです。まあ今もそうだけど。でも、本ってこういう楽しみ方もあるんですね。


●「誰の悪口も書かない」とか言いながら批判と文句しか書いていないことに気づいてさすがわたしはゴミクズだな!と思ってちょっとあらためてみた。いやそれはうそで、今日が非常に楽しい日だったというだけです。やっぱりお出かけはいいね。
不謹慎なことを一つ書くと、前回の記事の決まり文句によりわたしのことを好きになってくれた人がいたのですが、ここ一年半くらいずっと見ていなくて、このあいだ久々に学部事務所でばったり会いました。ひさしぶり!ぜんぜん見なかったけど大学来てたの?って声をかけたら、「これから休学届を出しに行くんだよね…」と言われてしまったよ。
明日はチェコ料理を食べに行く。どうせおいしくないのだろう…。しかも昨日はプラハに行った夢を見てしまった。あいかわらず殺風景で雪が積もっていたよ。もう二度と行かないと断言できる、唯一の国です。


ツイッターで意外と反響をいただいた、女子大生による「女子大生ブランドがほしかっただけなの。東洋の女と共立で家政やってる女、男がどっちを選ぶと思う?ね、共立でしょ。そのわたしの選択は良かったと思っている」発言ですが、反応したのはみんないわゆる高学歴女子というやつでしたね。うん。みんないろいろ思うところあるよね。それぞれ考え方も生き方も違うけど、でも一緒にがんばろうね…!
そしてその女子大生ふたりの会話を上野千鶴子の対談を読みながら聞いていたわたし…。