絶叫委員会、身体表現、コンドームについて

●いきなり空が夏の色になりましたね。私の一番好きな季節が来る!夏休みが激しく暇になりそうだから、楽しそうなことがあったら誘ってください。いい景色をたくさん見たい。海にも川にも山にも行きたい。しっかりちゃんと夏なのは8月だけだから、そして非常に暇なのは8月だから、ほんと8月中に私をアウトドアに連れてってください。
妹が受験生だから家族旅行にも行けず、海とか行って遊んでもらおうと思っていた彼氏は短期留学なのだそうだよ。ブルジョアめ。

●買いすぎで気持ち悪いからやめようと思っていたのに穂村弘の最新刊を買ってしまった。『絶叫委員会』、やっぱりよかった!買ってよかった。副題が、「天使的な言葉たちについての考察」ってなっている。その言葉じたい、天使的なんじゃないだろうか。
筆者が出会った印象的な言葉について解説しているエッセイなんだけど、表紙には例として「でも、だってそうおっしゃったじゃねぇか!」「日本人じゃないわ。だって、キッスしてたのよ」とか書かれている。ネタバレするのがもったいないから書かないけど、でてくる言葉も美しいし、解説もすごい。歌人だからなのかな、言葉で世界を切り取るってこういうことを言うんだろうなって感じだ。日本語すごいよ。興味ある方は貸すので言ってねー。

絶叫委員会

絶叫委員会

●友達のダンスの発表会を見に行った。ダンスというか、身体表現の授業…?まあでもダンスって言っていい、のかな。
うまい人のダンスを見るといつも思うけど、あんなふうに、思ったように(もしくはそれに近い形で)体を動かせるってどんな感覚なんだろう。本当にうらやましい!自分の体で何かを表現できるっていいなあ。いいなあいいなあ。感情を顔に出さなくても結構うまく生きていけて、芸術方面は趣味以下程度でご勘弁をって感じで、ダンスなどもってのほかどころか大の苦手で、私って言葉の中でしか表現できないんじゃないのか…?そのこと自体も寂しいし、言葉を使えるっていってもひどく不自由だしな…。
プログラムの中に、おそろいの服を着て前衛的な(語彙の貧困なので逃げました)パフォーマンスをした男女3人がいて、見ていて胸が締め付けられた。そういうのが苦手で避けてきたはずなのに、何人かで協力してお金にならないけど好きなことをがんばるっていう、私がもう二度としないかもしれないことをしている人たちを見て、素直にうらやましくなっちゃったんだよね。高校生のときはそれなりにそういうことをしていたので、懐かしさも多少。いろいろもめたり自分の意見が通らなかったりしてめんどくさいこともたくさんあるんだろうけど、でもそのめんどくささにさえ憧れるな。ま、結局私は協調性に欠けるし、好きなことを誰かとわかちあいたいほうでもないから、勝手な言い草なんだけどねー。しかしへんな危機感にかられて本は読むようにしているけど、どんどん理屈っぽくなっていきそうでこわいなー。
ともかく発表会は、私にないものを持った人たちがたくさん出ていて、行ってよかった!ちょっとは身体で語れるようになりたい。

●以前にもダンスの発表会(この表現ださいな。ごめんなさい)を見に行ったことがあるんだけど、ぴかぴかした全身タイツの女の子たちがかっこいい踊りをして、終わった後にみんなが笑顔でタイツの胸元からコンドームを出して客に投げるって演目(この表現もださい!)があったの。それを見てなんだか「うっ…」って思っちゃったのを思い出した。
私を知っている人なら誰でもご存知の通り、私はきつい下ネタもいくらでもいけます。だから下ネタがいやだったなんてわけでは断じてなく、たぶん、一種定型化されきった「女の子の性に対する奔放さ、背徳感、そのおかしみ」みたいなものにちょっとうんざりしてしまったんだと思います。そりゃあコンドーム投げられたら、普通の奥ゆかしい女の子だったらそんなことしないんだから苦笑するしかないじゃないかー。いちおうモラル的には婚前交渉ってダメで(もし私が男に生まれていたらどうしようもない処女オタだったのではないだろうか、と思う)、結婚していない(処女であるべき)女の子たちが結婚していない(童貞か処女であるべき)客たちにコンドームを投げるってスキャンダルを犯しているようで、表現の型としては結構保守的なんじゃないかな。ありがちなスキャンダル性というか…。
ちなみに念の為、ダンス自体を批判してるとかじゃありません!みんなかっこよかったの。全身タイツでもかっこよかったからすげーかっこよかった。だからまたそういうことするんだったら、せっかくだからタンポンとか生理用ナプキンくらいやっちゃえ!って勝手に思っています…。
私の好きな映画(ゴーストワールド)で、高校卒業前の女の子が主人公で、成績が悪いから美術の補習に出るんだけど、他の生徒がナプキンを使ったオブジェを作って「これは抑圧された女性をあらわしている」とかなんとか言って先生に賞賛されて、主人公はげんなりする、っていうシーンがある。その気持ちと似てるんじゃないかな…?うーん、だったらナプキンでもだめじゃんか!
ああそうだ、一万円札、投げてくれないかな…。そしたら恍惚とした表情で「前衛的ですね!!」って言いながら全部回収してやる。