都青少年健全育成条例についておもうこと

うまく言葉にできないような気もするんですけれども。
http://favotter.net/status.php?id=14200726884454400
この状況、気持ち悪くないか?
発言者を批判したいんじゃない。発言者のツイートをちょっとさかのぼってみたけど、思いついたのでつぶやいてみたらたくさんRTされてふぁぼられちゃった、って感じ。
じゃなくて批判したいのは、これにウンウンうなずきながらRTしたりふぁぼったりした一般の人。「あたし達もやるわ」「俺らもやる」という言葉がこのpostの中にあるわけだが、あなたたち、何をやるの?なんていうか、「権力vs漫画を守る自分たち」という構図に酔っているだけだよね。本気で問題意識があるなら何かやれよ。どうせ高みの見物じゃないか。とか、2ch発で「就活くたばれデモ」が生まれたのを見ていた身からすれば思うわけ。
あと気にくわないこと。「表現の自由が損なわれる」という文言。法解釈によって表現が規制されることもあるかもしれないけれど、この条例の主眼は「近親相姦とかレイプが不当に賛美された漫画に青少年が触れないように努力しましょう」というものでしょ。条例を読んでから批判しろよ。と言いたい。自分の主張を大声で言いたいために石原都知事を使うな、と。
じゃあ、何歩か譲って、法解釈によって表現まで規制されたとする。そこで表現の自由を法で規制したらうんぬん、とか言う人に聞きたいのはさ、じゃあAVのモザイクはなんで黙認するわけ、ってこと。そういうおかず的なものは無言で低次においていいわけですか。そして「放送禁止用語」というものまである。これも「表現の自由」には逆らわないの?
「傷つく人がいる」というのはたぶんもっともな答えだと思う。でも、だったらそういう漫画を読んで傷つく人だっているんじゃないの。べつに議員さんだって、全員がクリエイターをいじめようと思って条例を作っているわけじゃないと思うの。(方法はともかくとして)青少年を健全に育成したいと考えた結果がこうなんだよ。
だいたい、エロゲとかAVだって、建前上は18歳までアクセスしちゃだめじゃん。「エロだったら仕方ない」みたいな考え方は、雨宮まみさんの言うとおり、おかしいと思う。
最後に。インターネットとか、自分の周囲だけが世界じゃないってこと。石原さんの物言いは、おそらく彼の世代には受け入れられているのだろう。だからずっと都知事選で勝ち続けているわけでさ。文句を言っている人たちの何割が選挙に行ったんだろうと思う(ちょっとここらへんは自分でも結論が出ていないのでなんともいえないんだけどね。じゃあ投票した人は黙ってすべて受け入れろなんて言うつもりはない)。んー、だからさ、正義は我々の側にあって、あいつらが抑圧してくるんだ!みたいな考え方はちょっと世界が狭すぎる。現実には、もっと多様な人がいるんだよ。ネットの世界とか、漫画読みだけがすべてじゃない。
さいころ、間違えて飛んでしまったSMサイトみたいなやつを見て、非常に怖い思いをしたことがある(ていうか今でもああいうことはしたくないですね…)。とくに性教育って小さい子にするのは難しいし、絵を見たショックは大きいよ。そういうことまで考えて、反対だと言えるのかなあ。小さい子にとって、大人の性欲ってほんとにほんとに怖いよ。
こんなことを言っておいて、私もくだんの条例にいい気持ちは持てないんだけどね。ただただ、規制反対派の言っていることにも疑問符がついてしまう。