八ヶ岳にいってきました

日記でも書くか。
週末は家族で八ヶ岳に行ってきました。
大学の授業が5月までなくなり、もとからなかった就活の予定がさらに減ってほぼ白紙(というか、こういうときに選考を進めている企業があることに驚いているのですが。東北にいる学生はどうなるのでしょうか)になり、なんだか私は休みを持て余している。春から同じ大学に通うことになった妹も、卒業旅行のスキーやら部活の合宿やらが中止になったうえに入学も延期、アルバイトも決まらなくて暇。母は変わらず。父は仕事柄この時期に休みを取れる。よって、一泊でどっか行くか、となったのです。家族旅行は、一年前に台湾で年越しして以来。子どもが大きくなると行きたいところがそれぞれ違ったりしてめんどうなんだけど、やっぱりなんだかんだ家族で出かけるのは楽しいです(子どもながら生意気ですが…)。
ほとんど何かを食べていただけなので書く内容があまりないんだけど…(食べたものや感想を逐一書いていくと、この家畜が!としか思われそうにないからやめとく。せっかく体重を落としたのに春休みに入って太ったんだよー!)。
行きたい美術館をいくつか調べておいて楽しみに出かけたのだけれど、臨時休業につぐ臨時休業…。というか、道路や施設も全体的に人が少ない。春休みの日曜日に行ってこれだったので、平日のことを考えると…。
そんな中、電話したら「じゃあ開けますよ」と言ってくれた清里現代美術館に行きました。現代美術、はまっているわけではないけど、食わず嫌いはだめだと思って機会があったら見るようにしているのです(まあおしゃれぶりたいという下心が主なわけだが…。そしてたいてい、よくわかんなかったなーと思って会場なり美術館なりを後にするんだけど)。
着いたら館長が出迎えてくれた。大きさはふつうの一軒家くらいで、靴を脱いで上がる。とにかくアットホームな感じ。と思ったら、ご兄弟で経営しているそう。弟さんが定年するまでちょくちょく集めたものを展示して、お兄さんが館長をされているんだって。お客も私たち以外いなくて、適度にかまってもらいつつ、迷路みたいな館内(ということばが似合わないくらいこじんまりとしているんだけど)をぶらぶら眺めました。
ボイス、ライナー、ケージ、デュシャンフルクサスなどなどの作品がかなりセンスよく配置されていて、まったく詳しくない私も、より詳しくない母や妹も、そうとう楽しんで展示を見ることができました。
離れには大量の本とレコードと展覧会の招待状と、なんかそういうものが積み重なっていて、コレクションの主が待ち構えていました。そして私より詳しい父と語らっていた。たまたま同業者でいちじき勤務地がものすごく近かったこともあったそうな。世間ってせまい!
「給料はすべてコレクションにつぎこんだ」「美術館のために家はつぶした」と話す顔がにこにこしていて、ほんとうに素敵なおじさまでした。私は早く定年したくなりました(就職してないけど)。それと、離れに飾られていたラブレター(画家が恋人にあてたものらしい)がとってもとってもキュートだった。フランス語で書かれていて、筆記体の飾り文字(なんてあるのか?)のそこかしこに、花とか動物のシールがぺたぺた貼られているの。こんなんもらった日には、そりゃあね…。
ま、相変わらずジョン・ケージの音楽はどこがいいのかわからなかったけれど、「いい」ことすなわち芸術ではないんだよね。なんていうのかな、技術とか方法よりも、その背景にある思想のほうが、より現代美術を規定しているような感じがした。これまでの芸術そのものを疑う姿勢だとか。
「快」とか「わかりやすいもの」だけを求めていては、なんだかいろいろなことがへんな方向に進んでしまいそうな気がしました。芸術家ではないけれども、そういう危機感みたいなものを、私みたいな市井の人間も持っていたいな。その後カフェでやっていたオーガニックな感じの展覧会を見に行き、「うわ毒っぽくなくてつまらない…」と思ってしまい、自分の影響されやすさに軽くひいたのですが…。
ストーブを焚いてもらったけど、美術館の中はちょっぴり寒かったです。山梨県だからばっちり計画停電の範囲内、というか、東京より多い頻度で停電が行われている。夜に電気が通らなかったら、さぞ寒いだろうなあと思いました。
23区内に住んでいる私はさいわい一度も停電には遭っていません。部屋のコンセントは抜き、ストーブは家族のいる部屋でしかつけず、ヘアアイロンの使用は自粛、しているけど、寒すぎたらストーブつけちゃうし。とっても大事な日にはアイロンで髪だって巻いちゃうかもしれないや。なんだかこういうのってファッション停電にすぎないような気がしてしまった。宿題なんぞ投げ出したい。
あと何回、こういうふうに出かけられるのかなー。すぐ疲れて無言になる妹と、ほんとうは自然とふれあいたいであろうはずだけれど家族に付き合って買い物やらお茶やらしている父を見比べて勝手にひやひやするのも、じつは残り少ないのかもしれないです。
追記。旅行中、なんと「ぽぽぽぽ〜ん」の60秒版を見た!