にぶんのいち

きょうの日記を途中まで書いていたけど、どうも理想的すぎる休日をすごしてしまったわりに、できごとを書き連ねるのは好きじゃないなと思ってやめた。簡単に紹介すると、世田谷区にある天然温泉に浸かって、花見をしながらベーグルを食べて、漫画7冊とエッセイ1冊を買って帰った。
ちなみにきのうは朝から新宿で映画を見て、ずっと行ってみたかったカレー屋さんに行く途中で高校の同級生がグループディスカッションに行くところにばったり会って、カレーはめちゃくちゃおいしくて毎週でも通いたくて(こうやって平日にいろいろなまちで昼食をとれるのはもしかしたら学生の特権なのかもしれないことに気づき、できるだけいろいろなお店に行ってみようという決意を新たにした)、ひさしぶりに出版社のお手伝いをして、家に帰ったらカレーが待っていました。
その前は、アルバイトに行ったり、1年生のときからの友人に会ったり、初対面のひとにたくさん会ったりしていた。延びた春休みをしっかり過ごしています。あいかわらずカレーもたくさん食べているよ。
さて、本題ってほどでもないけどさいきん考えてたこと。
バレンタインデー、ヒッチハイク、らくがき、下ネタ、ひどい悪ふざけ、見えなくなるほど遠くにボールを投げれる強い肩、うらやましくて男の子になりたかった。
中学とか高校時代のバカ話を聞くと、なんで私は女の子に生まれちゃったんだろうと思う。楽しいことはみんな男の子が持って行ってしまう。あの集団に入れたらな、と、あほなことをやっている男子たちの姿を教室のすみっこでながめていた。
大化の改新のストーリーがものすごく好きで、舞台となった明日香村に何度も足を運んだ。それだって、大化の改新が中大兄と鎌足の固い友情に依ったできごとだからだと思う(史実がどうであろうと私はそう信じている)。入鹿の首塚で涙をこらえることは、私にはできません…。
大学に入ってから、そういうあこがれがあまりなくなってしまった。私の通う大学には男女だけでなく「第三の性」というものがあるらしく、「男子だけ」でなにかをやっている風景を見ることがあまりないからかな。いや、だってワセジョだってれっきとした女だろ…。
先日、電車で目の前にいたサラリーマンふたりが『Hanako for MEN』を開いておしゃべりしていた。ふたりとも色白。黒縁のめがねをかけていて、もちものが絵本やらアルパカのストラップやら、やたらとかわいい。「眼前に疲れた顔をして立っている女性がいるというのに座って仲良くハナコフォーメンを読むことが男子力の向上になるなんて私は信じない…」などと利己的(かつ理不尽に女性優位的)な理由から呪詛を唱えていたはずが、あまりにふたりの雰囲気がやさしいので、ほわんとしてしまった。
そういうわけで『Hanako for MEN』を思わず買ってしまった。で、昔いだいていたあの憧憬が再燃した…。「僕達のアジト」という特集、アジトってシンジケートの居場所のことだろうか。女の子を連れて行く店なんか紹介されていない。男同士でなにかを語り合うための店、みたいなのばかり載っているのである。うらやましすぎる…。
完全に脳天を撃ち抜かれたのはレシピのページ。はちみつを使ったレシピがいくつか…とここまで読んで、おしゃれ七三分けにカーディガンで細身の男性(なんとか男子のたぐい)がきゃわいくお料理している姿を思い浮かべた自分を恥じました。料理の写真が男らしくて豪快でとっても素敵なの!フレンチトースト、食べかけ。女性向けの本ではありえない。
いつもそう。素敵なことは女人禁制だよね。
生まれ変わったら、まずどうしようもなく貞操観念のないビッチになって、その次は男の子になりたいと思う。麻布中の入試問題と相性が良いから、きっと入れるはずだ。魔法使いにはなりなくないな。
車内で仲良く『Hanako for MEN』を読んでいた男性ふたりは一緒に途中下車していった。ふたりは恋人どうしだった。現世ではぜったいあのふたりになれない。